- Mali
むくみと水分補給

毎日暑いですね。
8月も中盤となりお盆休みの方も多いかと思われますが、来週、再来週あたりからドッと夏の疲れが出てくる方も多いはず。
耳つぼセラピーの施術を受けたことがある方は、セラピストから耳にタコが出来るほど水分を取ってくださいと言われた記憶があるかと思います。今日はそんなむくみと水分補給についてのお話を少ししたいと思います。
『お水を飲むだけでむくむのよ』とおっしゃる方がいらっしゃいますが、腎臓に疾患がなく通常に働いている以上は、水でむくむ事はほとんどありません。正常の身体の器官であれば、水分は1日に10リットル以上摂取しなければ、腎臓が尿として処理してくれるので問題はありません。

上の図を見ると分かると思いますが、身体の臓器や器官は水分でできています。
脳は90%は水分、肺も90%は水分、皮膚は80%は水分、骨も22%は水分、血液は83%は水分
これが不足すると、通常通りに働かなくなります。水分不足の方が身体にとって恐ろしいのです。
<水分が不足すると身体はどうなる?>
1.脳梗塞、心筋梗塞
脳梗塞や心筋梗塞の原因は、水分不足が大きな原因です。水分が不足すると血液はドロドロ状態になり、粘り具合が高まると血管が詰まりやすくなります。水は血液をさらさらにし、血小板が簡単に固まらなくなり、凝血が起きにくくなります。
2.高血圧、低血圧
低血圧の人は、体内に水分が不足しています。めまいなどの症状も少なくなります。また、高血圧の状態の時も、体内に水分が不足しています。水分は血圧の状態を正常に保ちます。
3.膀胱炎、結石、膀胱ガン
膀胱炎や腎臓結石は、尿道や膀胱に細菌がたまることから起こります。結石や膀胱炎は、水分が不足している為、尿から老廃物を排出できない状態に起こ ります。最近のアメリカの研究結果で、一日にコップ6~8杯の水を飲む人は、膀胱ガンにかかる率がきわめて低くなると言われています。
4.便秘
便の75%~80%は水分でできています。逆に言えば、水分が体内に不足すれば、便を作る事はできなくなります。
5.むくみ
「水分摂取はむくむから」と控えていると、ますますむくみます。なぜなら、体内に水分が不足していると、身体が危機感を感じ、尿を排出させないようにするホルモンが働いてしまいます。その結果むくみに!
6.喘息
喘息や痰などが絡みやすい人は、水分が不足している為、体内に、老廃物が蓄積し、それが、痰になって体外にでてきます。
7.頭痛
頭痛の原因は病気でない限り、水分不足がほとんどです。脳に水分が行かなければ血液循環も悪くなり、頭痛を引き起こします。
8.老化
老化の原因は、動脈硬化と言われますが、コレステロールや塩分が血管壁に蓄積されるために起こります。老廃物を血管壁に沈着させないように充分な水分を摂取する必要があります。
9.集中力低下・運動能力低下
スポーツ医学の調査によると、95%の学童・学生は水の摂取量が不足しています。水分が不足すると、眠気、無気力状態になり、集中力も運動能力も低下します。
しかし身体が疲れていたり、生理の前はホルモンの影響で水分を溜めこんだりするので、腎臓の働きが悪くなるのも事実です。女性の場合はホルモンの影響もあるので、1か月間で水分量は時期によって異なります。 尿が濃くなっていたら、身体は水分がかなり不足している状態なので、少し意識してみて下さい。
<自分でわかる水分不足のサインとは?>
(1)疲労感がある
慢性的な脱水状態になると、体中に血液が巡らず、酸素が行き届かなくなり、血圧もさがります。それにより、身体がだるいと感じます。
(2)濃い黄色い尿がでる
脱水症状の一番わかりやすい症状は、尿が濃い黄色になることです。腎臓が尿を排出する代わりに水分を体内に貯め込もうとして濃い尿がでます。
(3)めまいや立ちくらみがする
血圧が低下し立ちくらみが起きたり、常にめまいやふらついた状態になったりします。
(4)加熱状態が続く
水分があることで私達の身体は体温を常温に保っていて、脱水症状や加熱状態を避けてくれます。悪化すると、熱中症になることもあります。
(5)筋肉の痙攣
脱水症状になると、ナトリウムとカリウムの蓄えが少なくなり、電解質のバランスを崩し、筋肉の収縮に影響を及ぼします。
(6)心拍数増加
電解質のバランスが崩れ、心筋の動きが落ちるために心拍数が増加します。
(7)便秘になる
健康な腸は水分吸収が不可欠になります。水分が腸にない状態では、腸の動きは遅く、便は固く乾燥するために便秘になります。便は85%は水分でできている事を忘れないようにしましょう。
(8)肌に弾力性がなくなる
肌を突いてみて戻りが速いかどうかも脱水症状の目安となります。戻るのが遅く弾力性がないと、脱水症状の可能性があります。
(9)舌が膨れている
のどが渇いていて、のどや口の中が乾燥し、舌が渇いて、でこぼこしているのも脱水症状のひとつです。
(10)涙が出ない
涙が出にくくなったり、全く出なくなったりした時には、脱水症状は深刻です。
では、どんなことに注意をして上手に水分補給をしたらいいのか?
<上手に水分補給をする方法とは?>
(1)一回に摂取する量は約200mlまで
水分を一気に飲んでも、身体に吸収される量は一回に200mlまでが限度です。それ以外は、尿として必要なミネラルまで排出され、余計むくみの原因となるか、組織間液となってむくみの原因となる事がります。1時間毎に200mlづつ飲む事は腎臓の負担も減り、体内にとって一番良い状態です。
(2)そもそも身体が脱水状態
「水を飲むだけでむくむんです!」という女性が多いのですが、腎機能に問題がない場合は、そもそも身体が水分不足や脱水状態にあるケースが多いです。身体が脱水状態だと、水分を摂取した時に、脳の下垂体後葉からバソプレシンという抗利尿ホルモンが分泌され、水分を溜めこもうとします。簡単に言う と、脳が水分不足で身体の危機だと認識し、尿を排出しないようにします。この症状は2日間は続くので、ここで水分摂取をやめるのではなく、飲み続けて下さい。そうすると身体が安心し、尿として排出してくれるようになります。
(3)夜の冷たい水はNG
夜の18時位からは、腎機能の働きがUPしてきます。特に夜11時から3時間は腎臓が体内にある水分を使い血液の浄化に入ります。この時に冷たい水を飲んでしまうと、腎臓を負担させ機能を下げてしまう為、むくみにつながりやすくなります。
(4)季節に応じて、冷たい水と白湯を使い分け
例えば、1年中身体を冷やさない為に、白湯やぬるま湯を飲んだ方が良いと、東洋医学だと言われています。これは決して悪い事ではありません。ただ 夏や気温が本当に高い時、スポーツ中などは、冷たい水の方が身体への吸収が速いので、脱水でむくみを引き起こさないようにする為お勧めです。逆に梅雨や冬は身体が極端に冷えてしまわないように白湯の方が内臓に負担がかかりません。このように、季節に応じて変えた方が水分吸収は効果的です。
(5)生理前だけは注意が必要
女性の場合は、生理前は簡単に言うと女性ホルモンの影響で水分を体内に溜めこもうとしてしまう事や生理中は体温が下がる為、温かい白湯などに変えた方がむくみの原因にはなりません。
(6)睡眠不足
睡眠不足だと内臓の機能が落ちます。腎臓の機能も低下します。それに加え、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れる為、血管が拡張しっぱなしになったり、収縮した状態が続く為、血液循環も悪くなり、水分が細胞内ではなく細胞と細胞の間の組織間液に無駄に蓄積しやすくなります。
24時間365日休みなく働いてくれている内臓たち。
腎臓も一生懸命働いてくれています。なるべく負担をかけないように上手に水分補給を心掛けましょう!!